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図書館の神様

 

図書館の神様 (ちくま文庫)

図書館の神様 (ちくま文庫)

 

 バレー部のキャプテンとして清く正しく頑張ってきた清は、試合のミスを注意した翌日、山本さんが自殺してから道を見失ってしまった。なんとなく、高校の国語の講師になり文芸部の担当をおしつけられるが、部員は垣内君1名。本なんてどこがおもしろいの?と思うのに、彼は川端康成に夢中! 展望のない不倫にはまり込むが、ひょうひょうとした弟に支えられ、清は、しだいにひょっとするとバレーボール以外にも世界があるのだと気づいていく。先生と生徒が逆転したような垣内君との関係はおもしろい。でも司書の存在がないのよね。