トンネル 地底都市コロニア１

トンネル: 迷宮への扉(上) (地底都市コロニア 1)

 ウィルは色素欠乏症という他人と違う外見のため、クラスでも浮いている。父のバロウズ博士の影響でトンネル堀だけが趣味だ。母親はいつもテレビの前に座ったままで、家を動かしているのは、有能な妹のレベッカ。そんなウィルに初めての友達ができた。体こそ大きいが、気が弱く、やはりクラスでイジメをうけていたチェスターだ。ウィルは、チェスターにだけはトンネル堀の趣味を打ち明ける。そのころ、街ではかび臭い臭いを漂わせた、黒のコートにサングラスの怪しい男たちが目撃されていた。そしてバロウズ博士が行方不明となる。父を探すために、地下の父の部屋から掘られたトンネルを見つけ、チェスターの力を借りてほり進むなかで、なんと地下に築かれていたもう一つの世界にたどり着く。ウィルは、実は地下の住人だったといわれ、家族だという弟と出会い、チェスターと引き離される。そしてバロウズ博士がさらに深い深淵へと向かったことを知る。ロンドンの地下に広がる謎の都市のリアリティがなんとも魅力。