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今、ぼくに必要なもの

 

今、ぼくに必要なもの

今、ぼくに必要なもの

 

 同居の義父から、恒常的にDVを受けているジェイク。長年耐えてきた母親のマリーは、ついにジェイクを連れて家を出た。だが、孤児だったマリーには選択肢がない。ジェイクの父の実家に行ったのだ。ミセス・ジャッドは、当時複数の男性と付き合っていたマリーを信用せず、ジェイクが息子ダニーの子どもであることも認めていなかったダニーをマリーと離すため。ダニーを海外の戦場での仕事に出したのだ。だが、ジェィクがダニーにあまりに似ていることで、やっと真実に気づく。やっと行き場ができたものの、マリーは、なんとか自立しようとする。まもなく子どもが生まれるという身で。そして、そのマリーを取り戻そうとする義父。偶然帰ってきてジェイクと出会うダニー。行き場がなく、自分だけの場所を夢想して、そこでキーランという友人を得る冒頭から、少しづつ手を差し伸べてくれる大人が増えてきて、安定した居場所を獲得するラストに向かい進んでいく。わりと素直な展開で読みやすい。