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ジャマイカの太陽

 

ジャマイカの太陽 (1980年) (岩波少年文庫)

ジャマイカの太陽 (1980年) (岩波少年文庫)

 

 かつては事業で成功を収めていた父さんに破滅の日がきた。母さんは、妹と弟を連れて家を出て、ついに離婚してしまった。気前が良くて、無邪気なところがある父さんは、上流階級然とふるまうことより、みんなと楽しく過ごすほうが性にあっていたが、プライドが高い母さんはと微妙にすれ違いがはじまっていたのだ。でもぼく、ことラミは父さんを見捨てられなかった。父さんのライバルだったジェイクが、ついに家まで取り上げても、残された村はずれの土地に一緒に行って、開墾からともにスタートしたのだ。だが、ジェイクは、あろうことか美しい母さんまで手に入れ、二人は結婚してしまう。父さんはあきらめず、素晴らしい作物を作り、それを売ったお金をもとに小さな店を開き、さらに土地を広げてジリジリとジェイクに迫っていく。そして、再チャレンジをした父さんのガッツは、しだいに村の人たちも味方につけていった。隣家には未亡人のヒルチャーさんと、娘のドンナ・アンナが住んでいて、二人も応援してくれていた。ラミはドンナ・アンナにひかれていく。このままどんでん返し? と思っていたら、なんとジェイクの家で火事が発生、父さんは母さんを救い、妹と弟を救い、そしてジェイクも救うために火に飛び込み、ジェイクを救いながら、自分は命を落としてしまう。中米の野性味あふれる土地の雰囲気をたたえた物語はなかなか魅力的。再販してもいいと思うのだが・・・