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おいぼれミック

おいぼれミック

おいぼれミック

インド系移民のシン一家は、とにかく偏屈で、やかまし屋の人種差別主義者ミックの隣に引っ越してきてしまった。主人公のハーベイは、最初はこの老人の感じの悪さに辟易していたけれど、ミックの飼っている犬をきっかけに、少しづつ距離を縮めていくのだった。

読んでいて、『あれ?この状況設定は…』と思い出したのは、イーストウッド監督作品の『グラントリノ』とかなり似ているところで、ちょっとパクリ?と心配になるくらいだった。
まぁ、比較的読みやすいし、主人公のお父さんの『人種差別は憎むが、人種差別する人を憎んでるわけじゃない』という考え方は非常にリベラルだなぁーと感心しました。
この『差別をする人全てが悪人とは限らない。善良な人も差別することだってある』とした映画『ズートピア』の考え方にも似ていて、(正直ズートピアの哲学の方が子供達にわかりやすい気もしますが)移民問題がいまいちピンとこないだろう、差別される側にあまりなったことがない日本の子供達に読んで欲しいような気がしました。