18世紀イギリス。貧困の中で育てられない子どもを持つ親の最後の希望はコーラム養育院だった。だが、悪徳商人オーティスは、その希望を食い物にして、親から金をまきあげ、赤ん坊を捨てていた。ミーシャクには知能はないが、父の手伝いに恐怖を感じる心はあった。一方貴族の長男アレクサンダーは天賦の音楽の才を持つが、身分ゆえに父は望みを許さなかった。絶望の中で家出を決意するが、その直前美しいメリッサと結ばれる。生まれた子を恥じたメリッサの母により、赤ん坊はオーティスに渡される。メリッサにあこがれるミーシャクは、赤ん坊を連れ希望のコーラムをめざす。貧困の残酷さ、希望を失わないアレクサンダー。何も知らずに育つアーロン。純な心で彼を守ろうとするミーシャク。運命が交錯しつつ希望に満ちて物語が展開し、ドキドキしながら読み進められる。