孤児院のセージは、ある日コナーという貴族に買い取られる。他にも3人の孤児が集められていた。ほぼ同い年で見かけも似ている。国王一家が暗殺され、コナーは、4人の内一人を4年前に行方不明になった第2王子の身代わりを仕立てるつもりだ。すぐに抜けようとしたラテマーは、殺された。生き残るためには競争を勝ち抜くしかない。語り手はセージ、ということはこういう物語の定石として、選ばれるのは彼ね。さらに言うなら、パターンとしたら、彼が実は本当に第2王子というパターンと山を張って読み進めるが、セージは他国のなまりがあるので、まさか他国の王子?などとも考える。彼の仲間は知力のあるトビアスと腕力のあるローデン。セージは、恐ろしく頭の回転が良いが、反抗的で、語り手にも関わらず、何を考えているかよみきれない描写で物語が進められ、なかなかにエキサイティング。言葉が話せない少女イモジェン、第一王子の婚約者アマリンダもからみ、展開が読めなくなっていく。これが処女作らしいが、娯楽作としては十分合格点。