児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

てんからどどん

 

てんからどどん (ノベルズ・エクスプレス)

てんからどどん (ノベルズ・エクスプレス)

 

 活発で元気だが、勉強が苦手で軽い性格のかりんと、勉強はできるが、太っていて地味で暗い莉子の中身が入れ替わってしまう。という、この時点でもう展開が読めるおはなし。莉子となったかりんは、すぐに外見を改善しダイエットもはじめつつ、誰にも話しかけてもらえない中で、はじめて授業にも集中し、今まで目に入っていなかった地味な森くんの良さに気付いたり、かつての自分の言動の無神経さにも気付く。必然的に接近した莉子から勉強を教えてもらい、学力もアップ。莉子も、かりんの軽いけど、前向きな思考方法に刺激を受け、家の手伝いをさせられて家事を覚え、共働きで一人で家事をしている母を助けようと思う。ラストは、元の体に戻り、めでたしめでたし。そこそこに楽しく読ませるが、この手(入れ替わり)は、何度も使えないのと、「自分を殺して」という書き込みの伏線の回収の仕方が、ちょっと雑なのがきになりました。