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ぼくとヨシュと水色の空

 

ぼくとヨシュと水色の空

ぼくとヨシュと水色の空

 

 ヤンは生まれつき心臓が悪い、すでに何度か手術もしているが、体の成長に合わせて再手術が必要だ。子どものころからの友人ヨシュアは、体が大きくてたのもしい味方だ。だが、興奮すると言葉がスムーズにでなくなったり、怒りを抑えられなくなる様子をみせることもある。ヨシュアはおかあさんと二人でくらしているけれど、お母さんは時々いなくなってしまうようなのも心配だ。ヤンの二人の元気なお姉さんたち、嫌がらせをする不良の同級生、トラブルはないわけじゃないけど、ヤンだって自分で解決したい。街には少し気味の悪い「ねずみばあさん」と呼ばれている年寄りがいる。ある日、ねずみばあさんが刺され、ヨシュアが目撃される。だけど、犯人は、同級生の不良たちだ。でも、おりあしくお母さんが不在でヨシュアは逃げ歩き、ヤンは心臓手術のため動けない。体は弱いが、柔軟な心を持っているヤンが、自然な感じで描かれている。また、ただの気味悪いおばあさんと思っていた「ねずみばあさん」に、子どもが目の前でしんでしまったという過去があったことを知る展開もいい。ただ、ヨシュアとの友情の過去がちょっとわかりにくいのと、最後の解決がつごうよすぎ?と気になる。