転校して来た少女は、重度の全身やけどで直視できないような姿だった。人がいいけれど気の弱いトムは、やけどの少女ジェシカがいる事で重くなった教室の空気に憂鬱になりつつ、だれも口をきかない彼女が気になる。たまたま宿題を届けることになった事をきっかけに、トムは、彼女と始めて言葉をかわし、かつて美しかった少女がそこにいることに気付く。だが、やけどの原因をめぐって、無責任な噂が流れ、ジェシカは孤立する。結局わずか3週間余りで治療のため転校していく彼女。なにもできなかった後悔が、トムをうちのめすが、ジェシカを通じてクラスの人間関係を見直していく。シビアな状況にオースドックスな展開ではあるが、良心的に書いてある。ジェシカのことばをもう少しきいてみたかったかな。