児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

幼児期 子どもは世界をどうつかむか

 

幼児期―子どもは世界をどうつかむか (岩波新書 新赤版 949)

幼児期―子どもは世界をどうつかむか (岩波新書 新赤版 949)

 

子どもの世界認識は、子どもの立場からはどうなされるか? 現代の変化は、それに対しどのような影響を与えているかの問題提起。例えば「しつけ」について、「しつけ」は成長後、主体的な倫理観を持つことができるようになるために必要なもの、と説く。例えば母親と父親が微妙に違うしつけをしても、その中から、自分なりの判断をする力を子どもが持っているという指摘には納得。いわれたからではなく、自らが誇りを持って倫理を守る子どもに成長するための援助という、子ども自らの自立したいという意思を育てる(親の理想のプログラムを与えるのではなく)ということは考えさせられた。わらべうた保育にしても、本来は子ども間の伝承だったので、その形に近づける必要性など、ドキリとする提言も!