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本だらけの家でくらしたら

 

本だらけの家でくらしたら

本だらけの家でくらしたら

 

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ系のドタバタファンタジー。作者が作品の中で、ときどきしゃべりかけてきたり、主人公が読書家にしか部屋を貸さないおばあさんの家で、本を読んでいないとわからないテストをだされるところなど、本好きをくすぐる感じ。主人公ファーンは、赤ん坊の時に取り違えられて、お堅い会計士の両親のもとで育つが、本からコオロギをだしたり、変身するコウモリをみたり、怪しげな雲をみたりと、ふつうでは見えないもの見て育つ。ある日、本当の父親が迎えに来て、ファーンが〈ダレデニアン〉の血筋で、死んだ母親の持っていた『〈ダレデニアン〉になる方法』という本をさがせるのは、ファーンだけだという。かつては父ボーンの親友だったが、恋敵になってから敵となったマイザーも同じ本を狙っている。母親の実家に、おばあちゃんの家に、他人のふりをして父子で乗り込むとマイザーもまた変身してやってきていた。本だらけで、本のテストを次々繰り出すおばあちゃんとの丁々発止のやりとりは、ちょっと楽しい。そしてハッピーエンドでしめくくる、ちょっと気楽な娯楽作品。