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ダーウィンと出会った夏

 

ダーウィンと出会った夏

ダーウィンと出会った夏

 

 キャルバーニアは7人兄弟の真ん中で、ただ一人の女の子。好奇心旺盛な少女はもらったノートを観察記録に使い、実験を続ける祖父に接近する。事業を成功させた後に引退、今は実験と観察に明け暮れる祖父は、キャルバーニアのあこがれ『種の起源』を貸してくれ、科学の基礎を教えてくれた。もっと学びたい少女の前に、主婦としての道が立ちはだかる。祖父と二人で見つけた新種の喜び、母の期待に添えなくても、自分の道を進みたいという欲望など、普遍のテーマが展開される。ただし、家事をバカにしちゃいけませんよ! 祖父も従軍時にやってるし、きちんと義務を果たしたのちに実験生活をしてるのだから。兄たちの恋をあきれて見守る君にも、恋は来るかもしれないしね。雪の中に足を踏み出すラストは象徴的。頑張れ女の子😆