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七月に流れる花

 

七月に流れる花 (ミステリーランド)

七月に流れる花 (ミステリーランド)

 

 ミチルは、突然の転校で夏流(かなし)という街に転校してきた。図工の時間に「夏の人」を描こうという課題が出され、自分以外の全員が緑の人を描いているのに驚く。このまちには、何かあるの? そして終業式に突然夏のお城に招待される。蔦に覆われた夏のお城に集められたのは、市内から集められた少女6名。みんなで自炊をしながら静かな時を過ごす。お城には井戸があり、鐘が3回なったらいつでもそこに行かなければならないという。そして庭に流れてくる花の数を色を含めて数えるように言われる。ミチル以外は事情を知っているらしい。リーダー格の蘇芳は、特に聡明な少女だ。というわけで、恩田氏の作品らしくメチャクチャムードが盛り上がるが、恩田氏の作品らしく、これまた絶対イメージ先行で描いた感じで、謎解きは後からのこじつけのよう。花が流れてくるイメージは、ファージョンの「小さいお嬢さまのバラ」を連想した。謎解き好きにはイマイチだけど、こういうイメージ世界が好きな子にはぴったり。