タイガーはマヤ族の11歳の男の子だ。なまけもののつもりはないんだけれど、朝は寝坊してしまうし、仕事を手伝った翌日は、体中が痛くて、続けては働けない。ところが、お父さんが畑を作るための伐採の木の下敷きになり、足をおってしまう。タイガーは、たった一人でお父さんのかわりにとうもろこしを作る決心をする。どちらかといえばいくじなしの男の子が、いざとなったら頑張って、大きな成果を上げる、というパターンはよくあるが、雨が降らないために必死で祈る姿など、大昔から続くマヤ族の社会のようすがおもしろい。貪欲になりすぎず、自然に手を加えず、自然の前になすすべがないことがあってもベストをつくす生き方は魅力。