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ほんとうに怖くなれる幽霊の学校

 

ほんとうに怖くなれる幽霊の学校

ほんとうに怖くなれる幽霊の学校

 

エヴァ・イボットソンの息子による本。なるほど、母親の作風に似た雰囲気がある。オーバーな描写やおどろおどろしさなど。でも、母親にあった奔放な雰囲気ではなく、ちょっと技巧的に感じてしまう。物語は、幽霊の権威失墜を嘆くおおいなるハグたちが、おそろしい幽霊養成のための学校を作るが、そこに行く途中に迷子になった子どもの幽霊をダニエルとシャーロットという仲良しの子どもが見つけて助ける。二人が、街の再開発を阻止するため幽霊がお礼に助けてくれる、というもの。ちょっとアルアル感のあるおはなし。迷子になった子どもの幽霊パーシーが、自信がなかったのに、最後のぎりぎりですごいパワーを出す展開などは、子どもの共感を得ると思うが、貴重な作家とは言い難く感じる。