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とび丸竜の案内人

 

 

秋にとれるおいしいマルメ。季節はずれにマルメを食べるとこわーい魔物が来て人をさらっていく。そんな言い伝えがある、といっても、おいしいものを他の季節にも食べたい。理子は、こわいおばあちゃんに隠れて、冷蔵庫に隠しておいたマルメを夏に食べた。すると、本当に出たのだ! 竜がやってきて理子を「案内人」と呼ぶ。とび丸と名乗った竜は、一緒に竜の世界の秋の太陽を探してくれとたのんでくる。理子は逃げようとしたのに、あろうことか、おばあちゃんに発破をかけられ、竜と共に冒険が始まる。盗まれた時へと、時間をさかのぼることを思いついた理子は、とび丸竜とともに、過去に飛ぶ。秋の太陽はどこ? そしてなぜ盗まれたの? だんだら屋敷に秘密があると気がつくが、過去の世界で屋敷にすむ謎のおばあさんと外国の言葉でてきぱき交渉するりりしい少女の姿を見る。竜の国の太陽を取り戻す旅は、理子が引っ越してきたまちを知る旅となり、厳しいおばあちゃんのもう一つの顔を知る旅になる。あまり丈夫じゃないのに、くいしんぼうという理子のキャラは、やや不自然とも思うが、軽く楽しめる。