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王様でたどるイギリス史

 

 ローマ人の撤退以降の諸侯から始まり、6~7世紀に7王国が成立していたことを知り『七王国の玉座』のイメージの起源はここ?と思ったりした、アルフレッド大王、クヌート王などに始まり各王朝と、その特徴、その中でのイギリスの国民気質の形成を解き明かす。紳士の国でありながら、植民地支配や差別の国でもあるイギリス。王朝が変わる中で、自身の保身のために議会や国民との関係を構築していった王の姿は、面白かった。現在、王室が超政治的な存在として福祉やエコに関心を高めることで存続を図ろうとしている姿も興味深い。日本の皇室もイギリス的な道を模索しているようですが、イギリスの皇室のほうが、自分たちの道を自分たちで決めてるように見えます。