児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ギュレギュレ!

 

ギュレギュレ!

ギュレギュレ!

 

 ちょっと星新一風の味わいもある短編連作。ある朝突然にやってきた、トルコ人。日本語がペラペラで、不思議な商品を持ってくる。空飛ぶ絨毯、その中に入れたものを見えなくする筒、発電する雲などなど。値段は3万円とか5万円とか、もっともらしいがひどく高くはない。そして迎え入れる「わたし」が、こんな不思議なことがあるのに、意外と淡々としている。タイトルの「ギュレギュレ」は、トルコ語の「さよなら」らしいが、むしろ主人公がなかなか発音ができない「ギュナイドゥン」(おはよう)の方が、作品でもよく使われていてふさわしかったかも。ラストに、トルコ人が不思議な品物を持ってきた謎がちゃんと解明されるのがよい。