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ちいさいおうちうみへいく

 

ちいさいおうち うみへいく (ランドセルブックス)

ちいさいおうち うみへいく (ランドセルブックス)

 

街の真ん中にあるちいさいおうちは、年をとった船長さんが、船をまねてつくってくれた元気な家。周りの大きい家から相手にされないでちょっとさびしい。ある日、偶然に自分が歩けることに気付いたおうちは、自分みたいな小さいお家を夜な夜な探すが見つからない。そのうちにこの家の男の子のジョンにきづかれてしまう。海にあこがれたおうちは、ある日とうとう海辺まで歩いて行った。そこはちいさなおうちがいっぱいで大満足だが、お父さんは靴屋の仕事がなくて困ってしまった。街に帰ろうといってもおうちは嫌がるが、季節が変わると厳しい風や潮で痛めつけられてしまい、ついに街に帰った。お父さんも仕事が再開できてやれやれ。でも、夏が来ると、夏休みを海辺で過ごせると楽しいね、とお父さんが言ってくれて、おうちも元気に海に出かけて過ごせるようになる。なんということはないけれど、子どもたちにちいさいおうちの気持ちが素直に共感できて楽しい。