児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

この本をかくして

 

この本をかくして

この本をかくして

 

 抽象的な感じが強い。戦争が起こり、図書館も破壊される。だが、父がいつも読んでいた本は助かった。街は占領され、ピーターと父さんは家をおいだされるが、父さんは残った大切な本を鉄の箱に入れて持っていく、道中で父さんが死に、本はピーターに託され、ピーターは自分の荷物を捨てても本を運ぶが、最後の山越えにはもっていけず埋める。他国で成長したピーターは、大人になって故国に帰り、無事に本を掘り出し図書館にもっていく。というわけだけど、観念的すぎる気がする。埋めるんなら早々に埋めても良かったのでは? と、つっこみたくなってしまうし、その本は「ぼくらにつながるむかしのことがかいてある本」と表現されているのみだが複本はないような本なのか? とも思ってしまった。感情に訴える絵本ではあるが、もっと多様な形で本を守るほうほうが個人的には趣味。