![わたしがいどんだ戦い 1939年 わたしがいどんだ戦い 1939年](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51xl1%2B16aDL._SL160_.jpg)
- 作者: キンバリー・ブルベイカーブラッドリー,Kimberly Brubaker Bradley,大作道子
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: 単行本
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エイダは生まれつき足が曲がっているために歩くことができない。母親は、そんなエイダをみっともないと言って一度も外に出してくれなかった。弟のジェイミーだけが心の支えだったが、おきくなったジェイミーは、外に遊びに行きたがり、エイダの孤独は深まり、少しでも歩けるようになりたいと。そんな折、空襲に備えて子どもたちが疎開させられることになる。エイダは、なんとかジェイミーに付いていこうと母親が寝ているうちに家を抜け出し、疎開児に紛れ込んだ。だが、たどり着いた海辺の村では、ひときわみすぼらしい姉弟の引き取り手が決まらない。婦人義勇隊の隊長は、無理やり独身で一人暮らしのスーザン・スミスに預けられる。子どものせわなどしたことないと、抵抗するスーザンだったが、お風呂に入れ、きちんと食べさせてくれ、間違いをしても決して叩いたりしなかった。エイダには松葉杖を用意し、医者にも連れて行ってくれた。そしてその家のポニーにエイダは夢中になる。閉じ込められていたため、クリスマスさえ知らない無知なエイダは、やさしいスーザンに慣れてしまうことが不安で仕方がない。常に、反抗的な態度を崩さないが、次第にスーザンへの警戒心は弱まり、村での友達もできる。ドイツのスパイを発見する功績もあげるが、疎開児童のために料金を払わなければならないと知った母親が、二人を取り返しにくる。不自由な体でもあきらめようとしないいじっぱりのエイダ、ちょっと甘えん坊のジェイミー、親友の死以来心を閉ざしていたが、懸命に二人を助けようとするスーザン、戦争という極限状況を背景に、それぞれの姿が、とても魅力的。