スペイン南部グラナダ。イスラム教から国土を取り戻すコンキスタによって、支配下に置かれたイスラム教徒への締め付けは、徐々に激しくなる。最初はモーロと呼ばれ信仰が許されていたが、次には改宗を迫られモリスコとなり、ついに追放を迫られる。長年の共存の中で、宗教の違いを超えた友情が代々はぐくまれ、伯爵家とその領地に住む農場のモリスコたちは親しく付き合っていた。伯爵家の令嬢マリアは、明るく元気な少女で、モリスコのエルナンドと特に親しくなるが、エルナンドの兄は、市場でモリスコの娘に手を出した貴族の若者を襲い、お尋ね者となって山賊に身を投じる。迫害に抵抗しようとしたモリスコたちは、独自の王を立てるも街の略奪に走るものもあり、敗北して全員が奴隷か追放となる。エルナンドと父については、伯爵が奴隷として買い受けるが、二人は自由を求め、グラナダを去ってアフリカにわたる。16世紀の悲劇的な事件を引き裂かれた友情と愛で描く。こうしたことがなぜ起こったのか、正直もっと知りたい。