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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

トミーとティリーとダブスおばあさん

 

トミーとティリーとタブスおばあさん

トミーとティリーとタブスおばあさん

 

やや長いが、昔話のような趣があるので、読んであげれば5歳くらいから楽しめそう。ドリトル先生の作者らしく、動物と人間が同等な関係を築いている。100歳を超えたダブス夫人と、犬のピーター・パンク、アヒルのポリー・ポンク、ブタのパトリック・ピンクは仲良く暮らしていましたが、夫人のボロ屋は嵐で飛ばされてしまいます。三匹の動物は、なんとかおばあさんを守ろうと、眠れそうな場所をさがし、壊れた家から食べ物を掘りだします。かつて夫人が子どもを助けてあげたツバメの女王の助けを借りて、鳥の巣のような小枝の家をつくりますが、またしても嵐で壊されてしまいました。でも次は水ネズミの力を借り、壊れた家の地下室を掘りだして、今度こそしっかりした家に作り直しました。ピンクがうまく誘って連れてきた子どもたちも手伝ってくれて、すてきな家の出来上がりです。くいしんぼうだけどアイディアあふれるピンク。やかましやだけど絶えず夫人に気をくばるポリー、二匹の間をうまく取り持つピーターの3匹のキャラクターもいいのですが、タイトルの「トミー」と「ティリー」はそれぞれ、水ネズミとツバメの女王の名前ですが、一回目読み終わった後、これは誰だ? と思って読み直してやっとそれと気付きました。内容からみると「ダブスおばあさん」だけでも良かったかも(原題には入っているのですが)。