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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

珍獣ドクターのドタバタ診察日記

 

 どんな動物でも観るという姿勢で獣医をしている著者が、自分の生い立ちや修業時代を含めて動物の命と向きあうとはどういうことかを記した本。自分が動物が好きで好きでいろいろと飼ったことや、飼育で死なせてしまった後悔、獣医学科に入学した時に、獣医学とは、人間が動物を家畜として利用することを目的としていることを知ったショック、開業後の飼い主との信頼関係の作り方など率直に書かれていて、とてもわかりやすかった。中でも、動物の命を助けるということが、ただ助ければよいのか? いくら助けても最後は死んでしまうということをきちんと受け入れるべきだと語る姿勢など、とても重要だと感じた。動物好きの子どもにはぜひ進めたい。