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人はなぜ争うの? 平和と戦争の絵本1

 

人はなぜ争うの? (平和と戦争の絵本 1)

人はなぜ争うの? (平和と戦争の絵本 1)

 

 絵本としているが、いわゆる絵本ではない。言葉が全体的に抽象的で、教材的な感じがする。例えば「争いが起きるのはどんなとき? 食べものがないとき 飲む水がないとき ・・・」と続くが、ちょっと紋切り型? 食べ物がなくても争いが起きない場合もあると思う、例えば全員が持っていない時、もしくは協力によって食べ物の入手が可能になるときとか。また「自尊心をうばわれた人間は相手も自分も傷つける。傷つけたしかえしをするよりも自尊心を返してやったほうがいい」と書いてあるが、アキバ事件などもこうした事例だと思うが、それが簡単ではないことが大きな問題だと思う。これで終わってしまっては解決できないと思う。1巻なので、前書きかとも思うが、もう少し突っ込んで欲しかった。