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言葉屋2 ことのは薬箱のつくり方

 

言葉屋 言箱と言珠のひみつ (朝日小学生新聞の人気連載小説)

言葉屋 言箱と言珠のひみつ (朝日小学生新聞の人気連載小説)

 

  1巻目で言葉屋の修行を始めた詠子が、6年生になる春休みから2学期の終わりまでの出来事がつづられる。大人がそれぞれの正しさを振りかざして相手を攻撃する「大人の悪口」を聞くうち、それぞれの事情に感情移入してしまって抱えきれずに高熱に倒れてしまったり、身体表現性障害という体調不良(原因不明に手足など体に痛みを感じる)に悩む同級生の力になりたいと頑張ったり、テーマがぐっと重くなる。卒業文集に将来の夢を書くことになり、「言葉屋」という秘密の仕事を出すわけにいかず、かと言って他になりたいものを思いつけない詠子は、悩み考え抜いた末に「言葉で薬箱をつくる人」という夢を見つける。

詠子が高熱で休む2章だけ、親友のしいちゃんの1人称で語られるのが少し唐突で、子どもは混乱しないのだろうかと思った。