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ゲイのボクから伝えたい「好き」の?(ハテナ)がわかる本

 

ゲイのボクから伝えたい 「好き」の?(ハテナ)がわかる本──みんなが知らないLGBT

ゲイのボクから伝えたい 「好き」の?(ハテナ)がわかる本──みんなが知らないLGBT

 

LGBT(レズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)について正しく知ってもらいたい、そして、当事者たちには「あなたはひとりではない」と呼びかける本。
前半で、LGBTの定義についてとても丁寧に解説してくれる。
性には3つの要素がある。①カラダの性、②ココロの性、③好きになる性、この3要素の組み合わせや割合は実はグラデーションで存在しているので、性は本当に多様だ。ということはわかりやすくて納得。
しかし、LGBTの知り合いがいない私には(実は、いないと思っていること自体が問題なことも、読むとわかる・・・)、途中から、カラダは男で、ココロは女で、好きになるのは・・・という様々な組み合わせに混乱してきてギブアップ。そして、まさに著者がいうように何がどうと意識することに「意味がない」ことを実感した。
これはLGBTに限ったことではない。一人ひとりの違いを、その人として理解し、認めて、受け入れるココロや社会をつくること。同じ悩みや苦しみを抱える仲間に出会えることが大事なんだ、と伝える。

ちなみに、本書の2010年11月現在、同姓婚が認められているまたはパートナー法などがある国や地域リストに日本は載っていないが、その後2015年にパートナーシップ条例(渋谷区)や要綱(世田谷区)が制定され、同姓カップルに婚姻と同等の関係が認められるようになってきている。