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りかさん

 

りかさん

りかさん

 

お雛祭りのプレゼントにリカちゃん人形をねだったのに、おばあちゃんがくれたのは古い抱き人形のりかさんだった。がっかりしたようこだが、人形に食べ物を備えるというおばあちゃんの指示どうりにしていると7日目からりかさんの言葉がきこえるようになった! そしてりかさんを通して家のひな人形の不満や、お友だちの家の汐汲み人形の秘密を知ることになる。古い人形たちの記憶が立ち上る雰囲気や素直にそれに向かい合うようこがとても魅力的。我が家の人形も大切にしたら、話しかけてくれそうな気持ちになる。物語の最後にようこが切り倒されてしまった桜の枝で染物する場面があるが、同氏の作品には時々染色家や染めに関するエピソードが出てくる。ご本人がお好きなのだろう。