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ふるさとはフクシマ 子どもたちの3.11

 

ふるさとはフクシマ 子どもたちの3.11 (えほんのもり)

ふるさとはフクシマ 子どもたちの3.11 (えほんのもり)

 

福島で地震津波原発事故により被災した小学生の作文や詩に、画家や絵本作家たちが絵を添えた画文集。
当時ニュースでは「千年に一度の大地震」と繰り返し表現されました。「どうせなら、千年に一度の震災ではなく、もっと別の楽しいことやうれしいことに当たりたかったです。」という4年生の男の子。原発事故について終わったことはもう戻せないという母親の言葉に「もう終わったことはあきらめた。でも、少しはあきらめていない。」と書く大熊町の女の子4年生。外で遊べなくなった2年生の男の子は「ほうしゃのうがみえるんだったらいいなあ。」と書いています。避難先の富山県で親切にしてもらった3年生の男の子は「人の力は、人の心を幸せにできる」と知ったそうです。
この本の役割は、復興を支援する大人のためにありますが、子どもたちが同じ年代の子の体験を知る助けにもなると思います。