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ブラジルのむかしばなし3

 

ブラジルのむかしばなし 3

ブラジルのむかしばなし 3

 

昔話2話と、ブラジルの植物(キャッサバ、シッポジアグラ)についての豆知識と言い伝え、ブラジルクイズ、そして簡単なポルトガル語を日本語対照で学べるコーナーという構成。
「カメのけいりゃく」は、仲の悪いカメとシカの話。シカに足の速さを自慢されたカメが、姿がそっくりの兄弟たちを使って競争に勝ちシカをぎゃふんと言わせる。ちなみにこの話のカメはポルトガル語でtartarugaとなっており、1巻目の大きな陸ガメJabutiとはちがう。
「火を守った鳥ジュルバ」は、昔々、地上のあらゆる火が突然消えてしまい困ったインディオたちは、動物や鳥たちを呼び集め、はるか遠く離れた地にある最後の火を取って来てくれるよう頼む。だれもが断るなか、美しい尾羽の鳥ジュルバが承知して矢のように飛んで行き、火を2枚の尾羽にはさんで持ち帰る。再び希望の火を手にしてインディオたちは喜び踊るが、ジュルバは火傷して抜け落ちた尾羽を見ながら「これでいいんだ」と思うのだった。