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みどりのスキップ

 

 主人公は1羽のみみずく。桜林の美しい花を守るために高い枝の上から見張っている。ある日桜の精の花かげちゃんに出会ってからその決意は一層強まって、「お花見させて」と来たたぬきの親子、雨こぞうや風のおじいさんもひとにらみで追い返す。ところが4月のある日、温かい風に吹かれてふと居眠りをしたすきに、トット トット トット・・・という足音がして1人のみどりのスキップに入りこまれてしまう。これは大変と夜も昼も寝ずの番。きつねのおくさんが苦いコーヒーを入れて励ましてくれる。いく日か過ぎて疲れを感じたみみずく。ほんの少し目をつぶったとたん、トット トット トット トット トット トット・・・みどりのスキップたちの勢いはとまらない。とうとう桜林は一面の青葉になってしまった。
出久根育さんの挿絵。特に夜桜の場面が美しい。巻末のおいしいコーヒーの入れ方レシピは大人向けのおまけ。