にわとりのケイゾウさんは、うさぎのみみこと一緒に幼稚園で飼われている。世話をするのはももこ先生と幼稚園の子どもたち。春はこいのぼり、夏はプール、秋は落ち葉の山、冬は氷とどれも子どもが喜ぶ遊びを題材にして、いかにも子どもらしい幼稚園児たちの言動と、それに振り回されるケイゾウさんのオヤジこども?のような心の声で、四季の出来事がつづられる。
幼年童話のつくりだが、ケイゾウさんの目線が大人寄り。しかも、春の話「ケイゾウさんはこいのぼりがきらいです。」の冒頭で、普段は日あたりや風通しを考えてくれる気配りのももこ先生が、ケイゾウさんたちの小屋の屋根にこいのぼりがだらんとかかっていることには平気なところに、大人でも納得できずもやもやした。
既刊に「ケイゾウさんは四月がきらいです」(2013.12.2に紹介)がある。