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かべのむこうになにがある?(2019課題図書小学校高学年)

 

かべのむこうになにがある?

かべのむこうになにがある?

 

壁に囲まれて暮らす、ねずみ、ねこ、くま、きつね、ライオンたち。という設定を見たら、連想するのは「進撃の巨人」? でも、こちらはもっと単純で、外に出たら、外は素敵な世界で、帰ってきたら実は壁なんてなかったと気付いた、という寓話風の作品。先が読めてしまうのですが、戻ってきたら壁なんて実はなかった・・・ってちょっと唐突な気がします。特に、今どきは、みんな壁を作りたがっている世界ですから、壁をそんな簡単に消せるのかな? それに、外は美しいかもしれないけど、だからと言って壁の中には何もないような切り捨て方はどうなのか? 壁の外から見たら、中こそ外なんだから! 大人は好きそうだし、「壁を越えよう!」とか書いておけばカッコイイのかもしれないけれど、個人的にはもっと深い物語がよみたい。