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こだぬきコロッケ

 

こだぬきコロッケ (こぐまのどんどんぶんこ)

こだぬきコロッケ (こぐまのどんどんぶんこ)

 

 たぬばけ道場38代目師範になるはずのポン吉は、けいこが嫌いで食べることや昼寝が大好きなのんきもの。練習をしても失敗ばかりで、ひげの生えたあったかい冷蔵庫になってしまい叱られています。さて、この山のオオカミは、おばあさんがバス停に忘れたコロッケを食べて、あんまりおいしいのにびっくり、丸くなって昼寝していたコロッケそっくりのポン吉を食べようとします。とび起きたポン吉に、たぬきに当たったじいさんがいるからたぬきなんか食わないけどコロッケが食べたかったのだと言い、ポン吉が人間に化け自分は犬のふりをして人間の村に行こうと誘います。コロッケ欲しさに村に行き、誰もいないのでコロッケをパクリ。奥から飛び出してきたおばさんにつかまって、ポン吉はお代がわりにコロッケづくりのお手伝いをすることになりました。残されたオオカミは心配して大騒ぎ、外に見に行ったおばさんと入れ替わりにのぞくとポン吉のシッポが飛び出しています。注意されてあわてて化けなおしたら暖かい冷蔵庫になってしまいました。事情を察したおばさんは、そこにコロッケをしまい、お客さんはアツアツのコロッケが食べられて大喜び。おばさんは、お礼に冷蔵庫にコロッケをくれたので、オオカミとタヌ吉は無事にコロッケをもって山に帰ります。自分が食べた分のコロッケをおばあさんに返すオオカミや、家族にコロッケを食べさせておいしいのにびっくりされて面目をほどこすポン吉、失敗が成功に結び付く満足行く結果へと進んでいく楽しい物語です。