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嵐をしずめたネコの歌

 

嵐をしずめたネコの歌 (児童書)

嵐をしずめたネコの歌 (児童書)

 

 コーンウォールに伝わる伝説を元にした物語。村は、マウスホールと呼ばれる嵐に強い港を持っていて魚がよくとれ、漁師のトムの家で飼われている猫のモーザーは、毎日おいしい魚料理を食べて幸せに暮らしていました。ところが、その冬はとんでもない嵐の大ネコがやってきます。湾から出て漁に行くことがができず、村中の食べ物は徐々になくなってきます。トムは村人のために嵐をおして漁に出る決心をし、モーザーも大好きなトムについていきました。モーザーは自分の鳴き声で嵐のネコをなだめ、トムは見事漁を成功させてクリスマス直前の12月23日に持ち帰ることができました。いまでも、この村では、23日にこれを記念してたくさんの魚料理を作る習わしがあるそうです。各ページにある繊細な挿絵が魅力。トムとモーザーが仲良く描かれた後ろ扉の絵も微笑ましい感じです。