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なぜどうしてものがたりーケニアの民話

 

なぜどうしてものがたり―ケニアの民話 (1981年) (岩波ようねんぶんこ)

なぜどうしてものがたり―ケニアの民話 (1981年) (岩波ようねんぶんこ)

 

 東アフリカのケニアに伝わる、動物の生態などにまつわる由来話10話を収める。
「コウモリは、なぜ、夜だけ外に出るのか」では、コウモリがなかよしのインパラの赤ちゃんを育てる約束でもらったのに、インパラの子に十分えさを与えられずに殺してしまい怒りをかったことから、インパラを避けて夜に活動するようになったという。ヤギの親子が強気の歌を歌ってハイエナやライオン、ゾウを撃退する「ヤギは、どうして、わたしたちのともだちになったのか」は、南米トリニダード・トバゴの「ヤギとライオン」に似ている。
「人間は、いつから、ふたごの女の子を殺す習慣をやめるようになったのか」のように、その土地の負の歴史を語り継ぐことや、それを私たちが知ることが出来るのも大切なことだと思います。