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まんげつのよるまでまちなさい

 

まんげつのよるまでまちなさい

まんげつのよるまでまちなさい

 

 あらいぐまのぼうやは、夜がどんななのか知りたくて毎晩のようにお母さんに聞きます。よるってどのくらい暗いの?お月さまはどのくらい大きいの?ホーホーって鳴くふくろうに会ってみたいな。でも、何を聞いてもお母さんの返事はいつも同じです。「まんげつになるまでまちなさい」。ぼうやは待って待って待ちました。そしてある晩、自分からきっぱり宣言しました。「ぼく、これからもりへよるをみにいくからね」。するとお母さんは言ったのです。「さあ、いっといで!」ちょうどその晩こそ、満月の輝くよる。ぼうやは、月明かりを浴びてほかの子たちと思いっきり遊んだのでした。
ぼうやの成長と体験がぴたっと合う時、そのふさわしい時をぼうや自身がつかむことに、聞きながら一緒に待って待っていた子どもの心も開放されます。   (は)