
- 作者: アリソン・アトリー,いたやさとし,こだまともこ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: 単行本
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草花や虫、鳥など小さな生き物へのまなざしと自然描写の細やかなアトリーがつづる、少し不思議な物語が6つ。
トムはいつも、自分のかげぼうしにひもをつけて散歩に出かけていました。でも、かげぼうしは何度もひもを切って逃げ出してしまうのです。そしてその度に、金貨やダイヤモンドをお土産に持って帰るのでトムは大喜びするのですが、翌朝になるとそれらはキンポウゲの花や雨粒に変わっていて、トムはがっかり。それを見て大笑いするかげぼうしに腹を立て、とうとうトムは「おまえなんかいらない!」と言ってしまいます。家を飛び出したかげぼうしはそれっきり帰ってきませんでした。長い年月がたち大人になったトムは息子のトムを連れてお祭りに出かけ、あるテントに入りました。するとその舞台で踊っていたのは、なんとあのかげぼうしだったのです!(「トム・ミラーとかげぼうし」)。
市場で子ブタを売るためにでかけたディッコン。お父さんの言いつけを守らずに、道々出会う人と話をして不思議な物をもらう代わりに子ブタを4匹とも売ってしまいます。ぜったい空にならないさいふ、いつも咲いているバラの花たば、どんなに寒くても温めてくれる子ヒツジの毛、いつも心を温めてくれるキスを持って帰ったディッコンに、「おまえは妖精に会ったんだよ。にっこり笑ってやったのが良かったんだ」とお父さんは言うのでした(「ディッコンのおはなし」)。
文章を短めに改行し、ページ下部の余白に必ず挿絵が入っているのだが、挿絵を減らして読者に想像の余地を残してほしいと感じた。特にかげぼうしは、そういうイメージじゃないな・・・という気がして残念。 (P)