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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

やさい町どんどん

 

 やさい人たちの暮らすやさい町の1年間12編のお話。長屋があって銭湯があって、住民たちのやりとりも落語を聞いているような調子です。いつも赤ら顔でご機嫌、大工のにんじんさん、高速のスポーツカーに乗ったらひと皮むけてつるんと美人になったさといもさん、にきびを気にするお年頃、きゅうりの九ちゃんのほか、なす、かぼちゃ、とうがん、くり、きんかんなどなど、野菜やくだものの特徴をとらえた人間模様、なんてことのない日常の小さな出来事が賑やかに語られ楽しめます。        (せ)