児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ネルー 父が子に語る世界史2 中世の歴史

 

父が子に語る世界歴史 2 [新装版]: 中世の世界

父が子に語る世界歴史 2 [新装版]: 中世の世界

 

 中世のインド周辺の状況を知らなかった私にとって11世紀から約300年繁栄したシュリーヴィジャヤ帝国の存在は目からウロコだった。ヴェネツィアよりすごいんじゃないか!改めて地図で確認すると、インドが位置していた場所の有利さが良くわかる。また、元についてもただ残虐ではなく、しっかり情報収集や戦略を練っていたと知って、そりゃそうだよなと気付いた。どんな戦いや戦略だったのか、もう少し知りたい。マルコ・ポーロに触れては彼が牢獄で東方見聞録を書いたことを説明して「監獄というものは、よい仕事をするのに便利な場所ではないか!」と言ってのけるネルーのユーモアセンスには脱帽。また、繰り返し、戦争の動機が宗教にみせかけながら利害によることを書き、特定の宗教への憎しみに陥らないように警告しているところも、さすがの見識です。