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ないしょのゆきだるま

 

 雪がたくさん降った日、オオくんはおとうさんとゆきだるまを作った。おとうさんは、ゆきだるまを作るときは、ないしょのお願いをしながら雪を丸めて作るのだと教えてくれる。オオくんは、足のあるゆきだるまを作ったけど、お願いはないしょだから誰にも話しちゃいけない。おとうさんにも! そしておとうさんもどんなお願いをしたのか教えてくれない。オオくんが、夜にゆきだるまを見守っているとゆきだるまは立ち上がって歩き出した。あれ、おとうさんのゆきだるまもだ、二つのゆきだるまは街中のゆきだるまに足を作ってあげて、みんな立ち上がっていっしょにサッカーで遊んだ。オオくんはレフリーをしてあげた。朝になる前にゆきだるまはみんなもとに戻った。でも、オオくんはきっとおとうさんのないしょのお願いは、自分と同じだったと思う。願い事をしながらゆきだるまをつくる、歌をうたいながらつくるなど展開が楽しい。親子で読んで、同じことをしてみたくなる軽やかさが魅力。