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マイク

 

マイク: MIKE (児童単行本)

マイク: MIKE (児童単行本)

 

 元有望なテニス選手だった父は、交通事故で自分の選手としての道を絶たれた。そして息子のフロイドは、もの心ついた時からテニスをしていて今や全英ジュニア選手権優勝も手がとどくところにたどりついていた。なのに、突然マイクがあらわれた。プレイを妨害するように試合中のコートにまでマイクは入ってきた。しかも、最悪なことはマイクは、他の誰にも見えないということだった。精神科を受診することになったフロイド。医師のピンナー先生は、マイクの正体は必ず自分でわかるはずだという。そして、それが真実になった時、フロイドは思いがけない生き方のターニングポイントを迎えることになる。読んでいて、早々に読者もマイクの正体はわかると思うが、ここぞという時にあらわれるマイクの活躍はちょっとフロイドが羨ましいほど。フロイドにかけた夢を失いそうになりつつも立て直す両親との関係のようすも、多かれ少なかれ子どもの立場からしたら身につまされる展開かも。自分が本当にしたいことを考えていくってなかなか大変ですよね。