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マウルスと三びきのヤギ

 

マウルスと三びきのヤギ (大型絵本 (6))

マウルスと三びきのヤギ (大型絵本 (6))

 

 マウルスはヤギ飼いの少年です。夏の間、スイスの高い山の村にあるシュチーナおばあさんの家に泊まって働きます。村のヤギたちを預かって、山の牧場へ連れて行くのが仕事です。ヤギたちの中でマウルスのお気に入りは、シュチーナおばあさんのところのシロ、アカ、チビでした。ところがある日、この3匹が山の頂上でいなくなってしまったのです!マウルスは、3匹を探しに駆け出しました。途中、牛飼い小屋のおじさんが、森の奥から澄んだ鈴の音が聞こえたと教えてくれます。マウルスがチビの首にかけてやった鈴に違いありません。マウルスは、鈴の音を頼りに森へ入っていきます・・・。その後マウルスは、雷雨にあったり岩場で足を痛めたりしながらも、ようやく3匹を見つけて無事に連れ帰ることができるのです。
マウルスの冒険と責任を果たした後に迎える平穏な夜。動物たちに囲まれたすてきな夢。ヤギ飼いの少年のたくましさと喜びを伝える絵と文章は、カリジェのまえがきにあるとおり、すべての子どもたちに誇らしく届くことでしょう。    (F)