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ハンサム・ガール

 

ハンサム・ガール (フォア文庫)

ハンサム・ガール (フォア文庫)

 

 小5の女の子柳二葉は少年野球チームでピッチャーをしている。元プロ野球選手のパパが専業主夫をしていてママが単身赴任でバリバリ働く”フツーじゃない”両親と、彼氏に夢中で、女子らしくない私には無関心の15歳姉の4人家族。パパはベビーシッターのバイトや料理で頼られて楽しそうだけど、2人の子どもはパパとママが逆さまなことに悩み、ママは新しい上司に替わったとたん目の敵にされ左遷、二葉自身もチーム内外から”女のくせに”と言われいきがってみるも空回り。大人も子どもも男社会や男女の”らしさ”に悩みながら、自分らしく好きなことに生きる道を見つけていきます。
二葉の語りで進む文章には時代を感じる言葉が頻繁に出てくる。BF、グロッキー、トレンディードラマ、やるっきゃない、など。「おネエ」という姉の呼び方は違う意味にとってしまいそうで、今の子にはどうかなあと思いながら読み返しましたが。それを差し引いても、1人の女の子が自分の好きなことに邁進しその活躍で大会優勝を遂げるラストの爽快感は、時代に関係なくスカッとする読み物だと思います。  (P)