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名探偵カッレ 城跡の謎

 

 名探偵に憧れ日々修行に励むカッレの前に怪しい人物が現れた。親友のエヴァロッタのおじエイナルだと名のる男。カッレはさっそく、男の特徴、持ち物、行動を監視し記録していく。右ほほの傷跡、鍵を開ける道具を所持、リボルバー(銃)を枕の下に隠して寝ている。そしてカッレは、おじさんが城跡に落としていった真珠を発見!もう1人の親友アンデッシュと3人、いつもとは違う夏休みが始まった。
長く尾崎義訳で親しまれてきたストーリーですが、新訳がとてもテンポ良くて映画を見ているよう。映像のアングルや場面転換のポイントが目に浮かぶ「ハリーポッター」を読んだとき以来の感覚を味わいました。もちろん「見事に配された伏線が事件解明へ向けて集結していく」(訳者あとがき)原作の素晴らしさが前提にありますが、現代の子がとっつきやすい文章になったと思います。目次も、尾崎訳では「おじさんたちは宝石泥棒?」「カッレたち地下室へ閉じこめられる」となっているのを、それぞれ「新聞」「監禁」という風に推理小説らしくネタバレにならない工夫がされています。加えて挿絵がおしゃれで洗練された感じになり、新たな読者を取りこめそうです。(P)