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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

給食アンサンブル

 

給食アンサンブル (飛ぶ教室の本)

給食アンサンブル (飛ぶ教室の本)

 

 中学1年クラスメイト6人の悩める日々を給食メニューと絡めながら描く。お嬢様学校から転校してきて私の居場所はここじゃないと感じている美貴、童話好き辛い物苦手の子どもっぽい自分が恥ずかしい桃、親友の姉に恋して背伸びする満、明るい人気者キャラをいつまで続けられるか悩む雅人、優等生で周りとの距離を感じている清野、面倒見がよく給食大好きの梢。これら6人のキャラクターはわかりやすいが、いかにも作られたように感じて言動も漫画っぽい。雑誌連載が元なのでいたしかたないが、せっかく6人同じクラスで関りが強いので、1人1章ずつではなく全体を通して悩みが解決されていくとより登場人物に深みが出てよかった。でも中学時代というと、キャラを守るというか、自分はこういうキャラに見られてるとか、そういうキャラじゃないから出来ないとかといったことにすごく囚われる時期なのも事実。そういう意味でわかるーと共感して読めそうです。   (は)