理系科目がイマイチで大学入試直前に理系から文系へと志望変更した著者。だが新聞記者になり、正確な記事を書くため常にウラをとる習慣を身に着ける中で、それがカガク力でもあることに気付く。疑う、確認する、再現する、そんな姿勢は何が正しいのかわからないままに振り回されそうな現代だからこそ一層重要。日本では文系の官僚や経営者が権力やお金を握っているけれど、それを支えているのは実際のテクノロジーを開発している理系の人たち。こういう人たちや、その人たちの業績にももっと光を当てたいと考えます。大事なのは「もっと知りたい」という好奇心。言われたことを鵜のみにせずに自分なりの答えを出す姿勢。でも、問答無用で校則に従わせようとしたり、空気をヨムことを強要される今の中高生にはこれがなかなか大変かも。でも、大人だって不安で未来が予測できない現代だから、自己防衛のためにもカガク力をアップして欲しいと思いました。
さて、一カ月岩波ジュニア新書を読み続けてみましたが、正直ちょっとシンドイ時がありました。けれども、ふだん関心を持っていなかった分野で思わぬおもしろい作品を発見することもできました。ジュニア親書読めという課題を出されてしまった中高生のみなさま。いつも関心がある分野の本を手に取るのも良いですが、普段は関心がなかった分野に目を向けるのも一興。また、いきなり絞らずに、数冊抱えて最初だけでも読んでみましょう。今回31冊連続読みをしてみましたが、最初からこれは! と思った本はやはり面白かったです。私は我慢して最後までイマイチと思った本も読みましたが、合わない本は無理せずに。思いがけない出会いがあることを願っています。