NHKラジオに「子ども科学電話相談」というのがあります。幼い子の質問に電話で、つまり話し言葉だけで説明するのはとても難しそうで、専門家の先生方は四苦八苦されているのが伝わってきます。この絵本に出てくる太郎くんとおじいちゃんもそんな様子です。
ある日、チューリップのプランターの中に白い花の雑草を見つけた太郎くん。さっそく、植物に詳しいおじいちゃんに「名前をおしえて」と電話します。そこでおじいちゃんは、その草の特徴について3つ質問をして絞りこむことに。1つ目草の茎のようす(つる性か自立しているか)、2つ目葉っぱの形、3つ目葉っぱのつき方です。「オランダミミナグサ」か「ハコベ」の2つに絞れたところでおまけの質問、葉っぱに毛が生えているかどうか。そしてとうとう「ハコベ」と判明。さすが頼れるおじいちゃん!なのでした。刺しゅうの挿絵が見事で、草を描き分けるだけでなく太郎くんとおじいちゃんのいきいきした会話が聞こえてくるようです。夏の草編『ざっそうの名前』もあります。 (P)