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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ロッタちゃんとじてんしゃ

 

 ロッタは自分のおんぼろ三輪車よりも自転車がほしいと思っていました。ヨナスにいちゃんとマリヤねえちゃんが風を切って走っているのがうらやましいのです。そこで秘密の計画をたてました。まもなくやってくる5才の誕生日に自転車がもらえなかったら、隣のベルイおばさんの物置から自転車をかっぱらうのです。そしてロッタは決行しました。その古くて大きな自転車にまたがって坂の上からビュー!ロッタは垣根につっこんでバラの茂みに投げ飛ばされました。頭にたんこぶ足には切り傷。ベルイおばさんはやさしく手当てしてくれましたが、これでは最悪な誕生日です。しょげかえってにいちゃんねえちゃんが遊んでいるのを見ていると、パパが小さな自転車を引っぱって帰ってきました。それは中古だけれどロッタにぴったり!すばらしい誕生日になりました。
文庫では4才の女の子が大のお気に入り。ほかに選ぶ絵本に比べるとずっと文章量が多いのに何度も何度も借りて、ある日とうとう「買ってもらった!」とうれしそうでした。挿絵はロッタの魅力を余すところなく表現していますし、庭に咲くりんごや桜、ライラックの花々もとても美しいです。   (P)